はじめに
気胸は突然の胸痛・呼吸困難で発症することが多く、病棟でも遭遇する機会のある疾患です。特に「緊張性気胸」は命に関わる緊急事態であり、看護師として早期認識と迅速な対応が求められます。
気胸とは
気胸とは、胸腔内に空気が漏れ込み、肺が虚脱(しぼむ)した状態のことです。肺と胸壁の間の胸腔に空気が入ることで、肺が正常に膨らめなくなります。
分類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 原発性自然気胸 | 基礎疾患なし。痩せ型の若い男性に多い。ブラ(気腫性嚢胞)の破裂が原因 |
| 続発性自然気胸 | COPD・肺結核・間質性肺炎などの基礎疾患に合併 |
| 外傷性気胸 | 肋骨骨折・刺傷など外傷が原因 |
| 医原性気胸 | 中心静脈カテーテル挿入・胸腔穿刺などの処置の合併症 |
主な症状
- 突然の胸痛(患側):鋭く刺すような痛み
- 呼吸困難・息切れ
- 患側の呼吸音減弱または消失(聴診で確認)
- 軽症の場合は症状が軽く、歩いて来院することもある
緊張性気胸(Tension Pneumothorax)
緊張性気胸は最も緊急性の高い病態です。
- 空気が一方向に流入し続け、胸腔内圧が上昇する
- 縦隔が健側に偏位する
- 心拍出量が著明に低下 → ショック・死亡の危険性
- 緊急脱気が必要(緊急処置:第2肋間鎖骨中線上に穿刺)
症状:患側の呼吸音消失・頸静脈怒張・低血圧・頻脈・チアノーゼ → すぐに医師へ報告
重症度と治療方針
| 肺虚脱の程度 | 治療 |
|---|---|
| 軽症(20%未満) | 安静・経過観察(自然吸収を待つ) |
| 中等症(20〜50%) | 脱気・胸腔ドレナージ |
| 重症(50%超)・緊張性 | 緊急ドレナージ・外科的手術 |
看護師として押さえておきたいポイント
- SpO2の低下に注意し、呼吸音の左右差を定期的に観察する
- 胸腔ドレーン挿入後の管理:エアリーク(気泡)の確認・水封の確認・排液量の記録
- 緊張性気胸の徴候(急激な呼吸困難・血圧低下・頸静脈怒張)をすぐに医師へ報告する
- 患者への説明:ドレーンを引っ張らない・体位変換時の注意
まとめ
- 気胸は胸腔内に空気が漏れ込み肺が虚脱した状態
- 痩せ型若年男性に多い原発性自然気胸がもっとも頻度が高い
- 軽症は経過観察、重症はドレナージや手術が必要
- 緊張性気胸はショック・死亡に至る緊急事態であり、迅速な認識と対応が必須
- 看護師はSpO2・呼吸音・バイタルサインの変化を常に観察することが重要
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